2013年「N-house-磐田」第23回静岡県住まいの文化賞受賞
シンプルモダンの白い家
スキップフロアでつなぐ、家族の居場所。
床の段差で各空間をレイアウト。どこにいても家族の気配を感じられる住まい。
奥様のご両親と同居されていた夫妻は、お子様の成長を考えていくなかで、ご両親の家の同じ敷地内にマイホームを建てることを決意された。要望は、外も内も真っ白い家で、できる限り生活観の漂わないシンプルな内装だった。またリビングがお子様の遊び場になってしまうと、おもちゃなどが散乱してしまうため、視線は届きながらもリビングとは違う空間に遊ぶ空間をつくりたいこと、着物の着付けをされる奥様のために小さいながらも和室を設けたいなども希望だった。そこで提案したのは、スキップフロアでつくるそれぞれの家族の居場所である。南側正面から見ると1階には窓が無い真っ白な建物。そして室内に入り玄関つきあたりには、一段下がった和室をレイアウト。1階はタイルを配した床も塗装した壁も全てが真っ白なリビング&ダイニングが広がっている。さらにリビングとダイニングの間には2段のステップが設けられ、フロアに変化をもたらしつつ各々の空間機能をさりげなく分けている。
2階へ続く階段の途中には広さ4帖ほどの踊り場が設けられ、お子様の遊び場やお昼寝場所として最適なスペースに。1階はもちろん2階のどの部屋からもこの中2階が望めるため、家族一人ひとりが別々の空間で過ごしても、お互いの気配を感じられ安心感も生まれる。さまざまな箇所に段差を設けたこの住まいは、家族が好きな場所にいても家族の絆を自然に育む家となった。